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めまぐるしく変化する環境に呼応しつつ、ビジネスチャンスをいち早く察知する。
リアルタイム経営が求められている今。基幹業務全般をサポートするERPパッケージは、大企業だけではなく、中堅企業からも熱い視線を集めている。株式会社光文堂は、「EXPLANNER/A」を導入し、基幹業務システムを一新。大胆な構造改革をおこなった、その真意と全貌に迫る。

本社:名古屋市中区金山2丁目15-18
設立:昭和21年7月
支社:東京
支店:東北、静岡、北九州
営業所:全国25拠点
http://www.kobundo.co.jp
事業内容:印刷機材の総合商社(印刷関連機器・資材の販売/デジタルプリプレス機器の開発および販売など)
デジタル化、高度情報化の進展に伴い、産業構造そのものが変わろうとしている印刷業界。印刷工程はデジタルワークフローが現実のものとなり、ICカードや電子出版などニューメディアも続々と登場している。印刷業は、いまや従来の枠を越え、情報産業の先端へ・・・。ビジネスの裾野を広げているようだ。しかし、そうした急激な変化は、業界内に光と影を同時に落とした。デジタル化は予想を超える価格破壊を引き起こしたのだ。「この状況に耐えつつニーズに柔軟に対応できる、強い企業だけが生き残っていく厳しい時代。企業間格差は今後ますます大きくなるでしょう」と株式会社光文堂の小澤社長は語る。
光文堂は、印刷機器やソフトウェア、サプライ品など、印刷関連分野の製品をあつかう総合商社。昭和21年に創業以来、着実に業績を伸ばしてきた。しかし、業界全体が岐路に立たされている今、変革を迫られているのは光文堂も同様だ。「依然は印刷機器の販売が中心でしたが、安定した収益を確保するには、機械販売と資材販売を両輪にして、お客様をトータルでバックアップできるような営業体制を強化していかねばなりません。また近年、製品開発や海外製品のOEM化にも積極的に取り組んでいますが、自社ブランドを確立し、他との差別化を図っていくことも今後の必須テーマです」。
さらに光文堂では、印刷用インクなどをインターネットで販売するなど、e-ビジネスにも参入。新たなビジネス領域へも果敢にチャレンジしている。「e-ビジネスは、そのもの自体が我が社のビジネスの中核に取って変わるわけではありません。大切なのは、我々自身の目で業界の変遷を見極めること。そして、お客様に喜んで頂けるようチャレンジしていくことなのです」。
業界全体が揺らぐほどの転換期の渦中にあって、基幹業務システムを一新するという抜本的な社内環境整備に乗り出した光文堂。「我が社では昭和50年代にいち早くコンピュータを導入し、業務管理を行ってきましたが、継ぎ足しを重ねて強化拡張していったため、それぞれの業務が独立したシステムで横の連携がなされていませんでした。そのため、日次、月次の経営状況を把握したいと思っても、なかなかジャストな情報が出てこない。世の中がますます加速度的に変化していくなか、このままではいけないと一念発起したわけです」。
小澤社長がめざしたのは、日々の実態を的確に把握し、すぐさま営業戦略に活かしていくスピード経営。また、全国25拠点のネットワークを結ぶ情報の共有化にも取り組んだ。社員全員が情報をシェアできるオープンな環境を整えることは、人材のレベルアップを図る上でも重要な意味を持っていたという。「東京にいても、地方にいても、長年勤めている人でも、最近入社したばかりの人でも、誰もが同じ情報を共有し、活用できる。企業の財産である人材価値を高めるためにも、このプロジェクトにかけた期待は大きかったですね」。
ニューグランパス226p
光文堂が基幹業務システムに採用した「EXPLANNER/A」は、会計から販売、給与まで業務全体をサポートするERPパッケージシステム。導入から1年が過ぎた今、緩やかではあるが、徐々にその成果が表れてきているという。「導入当初は、新しいシステムに不慣れなこともあり、社員の中に不安や戸惑いがありました。でも最近は、ほとんどミス&ロスもなくなり、業務全般にわたってスピードアップがなされてきたようです。私自身も欲しいと思っていた経営情報が得られるようになり、非常に満足しています。ただ、今まで情報の正確性を徹底させることに注力していましたので、今後は情報の活用段階へステップアップしていきたい。同じコンピュータでも、利用価値を高められるかどうかは使い方ひとつ。様々なデータを巧みに引き出し、営業戦略の武器にしていきたいですね」。社内情報を活用し、業界の今とこれからを的確に読む・・・。基幹業務システムの一新は、光文堂の企業体質をさらに強く、しなやかにしていくようだ。
成功の秘訣は、勇気ある決断とパートナーシップ。
社員一人一人の活用が、システムをさらに価値のあるものへ。
受注、販売、在庫、会計といった基幹業務をトータルにサポートするERPパッケージ。欧米ではすでに多くの企業に採用され、日本でも注目を集める存在になっている。メリットは、飛躍的な業務効率のアップと開発コストの軽減。業務の複雑化や変化のスピードへの対応をもとめられる今、オリジナルで作り込むよりもパッケージを利用したほうが得策と考える企業が増えているようだ。このほど、基幹業務システムに『ERPパッケージEXPLANNER/A』を導入した光文堂。プロジェクト責任者である山田取締役にその狙いを尋ねた。
「社長から話があったのは3年前。目的は、スピード経営とオープンな基盤インフラ整備でした。当初は、従来のシステムを発展させる道も考えましたが、長年にわたって強化改変されてきたシステムは、それぞれの業務が非常に複雑で特殊な構造になっており、連携は難しいと判断。光文堂ならではの業務スタイルをある程度保持しつつ、もっとシンプルでわかりやすい形にできないかと検討を重ねた結果、パッケージシステムに行き着いたのです」。そして、いくつかのパッケージシステムを検討し、NECの『ERPパッケージ EXPLANNER/A』を採用。決め手は、初心者でも入りやすい操作性と、柔軟に手が加えられるポテンシャルの高さだったという。光文堂は、機械販売などの新規システムをパッケージに加えるとともに、財務や給与なども独自の運用形態に合わせて再構築。パッケージのメリットを活かしながら、独自のノウハウも残していく・・・。最良の道となったようだ。
とはいえ、使い慣れたシステムを変えることは容易ではない。社内にプロジェクト推進チームをつくり、パッケージシステムへの追加機能を具体化していく過程で、社内からは反発の声も挙がったという。「複雑な業務を標準化していくなかで、どうしても組み込めない部分が1%ほど出てきます。社員からすれば、その1%のレアケースに目が向いてしまうんですね。でも、それを聞き入れてしまったら、今度はシステム自体が健全に機能しなくなってしまう。私にとっても辛い決断でしたが、最優先すべきは新しいしくみをスタートさせることと心得て、1%の部分は切り捨てることにしたのです」。
また、プロジェクト推進メンバーにかかる、時間的、精神的負担も悩みの種だった。「大がかりで長期的なプロジェクトを成功させるには、皆に余力をつくり、限られた時間に集中し、結束することが大切。いかにして時間を捻出し、どうやって効率良く進めていくかも重要な課題でした」。こうした問題を解消したのが、NECソフトウェア中部とのパートナーシップ。「レアケースに対する対策をいろいろとご提案いただいたり、会議前に案件をまとめたシートを送っていただいたり。NECソフトウェア中部のスタッフ陣が当社の内情を把握し、きちんとリードしてくれたことがスムーズな進行につながりました。また、夜遅くまで頑張っておられた姿も心強い励みに。社長もその姿を見て、このシステムは成功するだろうと自信を深めました」。
こうして、3年がかりのプロジェクトを遂行し、新システムを稼働させた光文堂。「導入から1年あまり経ち、これまで大きなトラブルもなく今日を迎えられたことが、何よりの成功の証」と、山田取締役はホッとした表情を見せる。「基幹業務システムは、毎日食べる主食のような存在であるだけに、もしわずかでも不十分があれば、必ず日常の業務に影響が出てしまう。そうした支障がほとんどなかったことに高く評価しています。ただ、今はやっと新システムを毎日食べられる状態になったところで、味わっていくのはこれから。社員全員がこの新システムに精通していくためには、もっと多くの問題にぶつかって、それを克服していかねばなりません。社としても新システムの研修会を定期的に開いていく予定ですが、社員一人ひとりが自主的に新しい使い道を発想していってほしいですね」。平成16年は、新システム元年・・・。基幹業務システムの一新とともに、光文堂の第二章も幕を開けた。
