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住 所:岐阜県中津川市中津川964番地の103
創 業:1950年1月
資本金:4億1,620万円
売上高:194億2,400万円
(2009年3月現在)
業 種:ダイカスト製品の鋳造・加工・組立(主に自動車部品)、アルミ建材の設計・製造・組立・販売
中央アルプスを背に悠々と流れる木曽川を抱く岐阜県南東部の中核都市、岐阜県中津川市。この地に拠点を構える美濃工業株式会社様は、ダイカスト製品を中心とするメーカーとして、主力製品である自動車部品が国内最大手自動車メーカーの高級車をはじめ、世界各国の自動車メーカーに広く採用されるほか、建材分野へも進出している。
1950年の創業以来、つねに技術の限界に挑戦し続け、現在はEPS(電動パワーステアリング)のギアボックスやオルタネータ(発電機)のケースなどの多種多様な製品を展開。近年では、自動車の頭脳といわれる電子基盤の保護ケースに尽力し、ダイカスト製品としては極限的な薄さを追求しながら、激しい温度変化や振動、埃などの過酷な環境から電子基盤を守るという困難な課題を克服し、極薄肉ダイカスト成型技術を実用化。社内に飾られた表彰状の数々は、業界トップレベルの技術力の証だ。
世界的不況の影響下、自動車業界は先の読めない試練の時代を迎えたが、「そんな今こそ新たな挑戦の時です」と、執行役員総務部長の青山氏は言い切る。
2009年度には新たに研究開発部門を立ち上げ、電子機器部品の熱対策や環境に配慮した軽量化とリサイクル性の実現など、「社会的ニーズに応えるモノづくり」を目指して、新素材・新技術の開発に着手した。
美濃工業様の挑戦は、社内の管理体制にも現れている。その一つが、数ある自動車部品メーカーの中で先陣を切って開始した、情報セキュリティ強化プロジェクトだ。
「当初は私自身を含め、経営層はそこまで大仰な対策を採る必要性を感じてはいませんでした」と青山氏は振り返る。プロジェクトを導入するきっかけとなったのは、多発する企業の機密情報漏えい事件・事故を目の当たりにしたことだった。
「たった一度の情報漏えい事件が、長年かかって築き上げてきた社会的信頼を一気に失墜させ、企業の存続にさえ重大な影響を及ぼす可能性がある。ウチもこのままではいけないと強く感じました」と青山氏は語る。
2007年10月、美濃工業様は全社的な情報セキュリティ強化プロジェクトを始動した。プロジェクトに際しては、NECソフトウェア中部の「情報セキュリティ強化支援コンサルティングサービス」を活用。このサービスは、ISMS認証レベルへの到達を目標に、情報を取り扱う際の基本ルールであるセキュリティポリシーやそれに基づく具体的な実施手順の策定、展開、リスクアセスメントから監査の実施までを含めた、リスク管理体系の構築を支援するものだ。
スタートから1年半、情報セキュリティマネジメントシステムを綿密に練り上げてきたプロジェクトの成果を、青山氏はこう語る。「コンサルティングサービスを利用したおかげで、短期間で大きな変革を実現できました。一番の成果は、当社にとって情報セキュリティがISO9000やISO14000と同等の管理手法であるという認識が定着し、社員一人ひとりに『情報の重み』が浸透してきたことです。今後は、情報セキュリティに関する内部監査を定期的に実施し、不具合があれば、その都度、是正・予防し、PDCAサイクルを展開することで、着実にスパイラルアップを図っていきたいと考えています」。
ファイルや印刷物などの情報資産管理を徹底する中で、余分なファイルを作らない、不要な印刷をしないといった意識が育ち、資源節減という効用も生まれた。「情報の一元化による業務改革の必要性などの新たな経営課題の発見にもつながりましたし、プロジェクトの実働部隊である情報システム課の若手メンバーたちに、社長や取締役の前で進捗状況をプレゼンテーションさせたことで、若手社員の教育の機会を得ることもできました」。
今後は社内の全部門へ、さらに海外の子会社を含めた美濃工業グループ全体へと順次展開していく予定だ。「プロジェクトを通して当社が目指すべき情報セキュリティのあり方が明確になり、顧客に対して『ウチはこんな対策をしています』と胸を張って語れるようになりました。人材採用へのプラス面も見込めるなど、対外的な効果も計り知れません」。
さらに、海外取引の場で強く求められている内部統制の強化にも着手する計画だ。「情報セキュリティや内部統制は大企業だけの課題ではなく、すべての企業のスタンダードであるべきだと思います」と青山氏は力強く語る。情報セキュリティ強化プロジェクトをステップに、さらなる経営体質の強化へと走り続ける美濃工業様。激動の時代を勝ち残るために、また新たなチャレンジが始まろうとしている。
情報セキュリティマネジメントシステムを定着させ、
時代のニーズに応える企業風土を創造。
機密情報管理への社会的要請が強まる中、情報セキュリティ強化プロジェクトに着手した美濃工業株式会社様。先進的な取り組みの背景について、プロジェクトの推進役である情報システム課課長和田氏に尋ねた。
「かつて、当社の情報セキュリティ対策はウイルスやスパム対策ソフトなどの局所的なものに限られていましたが、取引先から情報セキュリティ対策に関する調査票が届き始めたのを機に、より本格的な対策が必要だと考えるようになりました」と、和田氏は振り返る。
情報セキュリティ対策として和田氏は、資産管理ソフトの導入を検討。管理ソフトには、パソコンの利用履歴を取得する機能が備わっており、この機能から得られる利用履歴情報を基に社内ルールの整備を行えば、社内展開する際、管理者に対しての説得力になると考えていた。
このような折、2006年5月、NECソフトウェア中部による「情報セキュリティ対策簡易診断」を行った結果、情報セキュリティは、資産管理ソフトから得られる管理状況の把握だけにとどまらず、組織的・人的対策、物理的対策、技術的対策などの側面についても対策が必要であると認識。また、自動車部品業界で要求されるレベルと自社のレベルとの比較診断もできた。「診断後、セキュリティ対策の更なるスピードアップが必要だと感じました。そこで、コンサルを導入し、社会情勢に見合ったセキュリティ基準を構築する方法を検討しはじめました」。
2006年8月、既存のITベンダーを含む3社に情報セキュリティ対策プランの提案要請をし、それまでに取引実績のないNECソフトウェア中部を最終候補として選択。その理由を和田氏はこう語る。
「一番の魅力は、ツール導入やセキュリティポリシー策定に加え、コンサルティングもできる総合力でした。業界の動向や当社の課題に対する的確な分析力、自動車部品業界も含め、豊富な実績によるノウハウにも信頼が置けました」。
だが、経営層からGOサインを得るまでの道のりは平坦ではなかった。プロジェクトの必要性を理解してもらうために、簡易診断の結果や得意先の情報セキュリティ対策調査票を手に、社長へのプレゼンテーションを繰り返すこと1年余り。「経営層への上申の際に、レーダーチャートで当社の情報セキュリティ対策の弱みや、期待されるレベルとの差を見える化した分析結果を活用し、情報セキュリティ対策に必要な多角的な視点を説明しました。ツール導入だけではなく総合的な仕組みづくりの必要性を、視覚的に理解してもらえたと思います」
