本ウェブサイトでは、JavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。
お客さまがご使用のブラウザではスタイルが未適応のため、本来とは異なった表示になっておりますが、情報は問題なくご利用いただけます。


住 所:名古屋市瑞穂区松園町1丁目50番地
創 業:1922年5月1日
資本金:46億8,200万円
売上高:4,000億円(平成21年6月期)
業 種:パン、和洋菓子の製造と販売のほか物流、弁当・惣菜の製造販売、麺の製造、パン製造直売店の経営コンサルタント、保険代理店
「朝はパン」というCMでおなじみのフジパングループ本社株式会社様は、大正11年創業、名古屋市に本拠地を構える製パン業界の老舗だ。グループ全社を貫くのは、「グッドカンパニーたれ」というポリシーである。現在、小麦粉や包装資材などの価格高騰、少子高齢化や食生活の多様化によるパンの消費量の伸び悩みなど、製パン業界を取り巻く環境は厳しさを増しているが、「こんな時代だからこそ、基本に忠実でなければいけません」と、取締役システム部長の日比氏は語る。「我々の務めは、安全でおいしいパンを作ること。消費者の方々や社会に貢献できるグッドカンパニーであることが何よりも大切です」。
グッドカンパニーを目指す志は、人事施策にも表れている。「この言葉には全社員の思いが込められています。昔からパン屋といえば、朝は早く、現場は暑く、力仕事が多いもの。日配製品を扱う以上、今もそうした厳しさは変わりません。だからこそ皆が気持ち良く働き、向上心を保てる環境づくりを重視してきました(中島氏)」。
独自の人事施策の一つが、フジパン高等職業訓練校だ。1982年、埼玉県の武蔵工場敷地内に開校し、27年の歴史を持つこの訓練校では、全国のグループ会社から推薦を受けた若手社員が、4カ月間、寮生活を送りながらパン製造技術を磨き、将来の幹部社員候補としての知識を学ぶ。社内研修用の施設だが、埼玉県職業能力開発協会から高等職業訓練校の認可を受けており、卒業後は製パン技能士補の称号を付され、製パン技能士2級試験の学科試験免除の特典が与えられるなど、受講生のメリットは高い。
ユニークな社員研修制度を持つ一方で、人事部門は多くの課題を抱えていた。「最大の課題は、きちんと人事管理ができるシステムが存在しなかったことです」と、取締役人事部長の中島氏は語る。
従来フジパングループの本社では、紙ベースの社員名簿と、オフィスコンピュータで動く給与管理システムの部分的活用、Accessをベースに開発した独自システムの3種類で人事業務を行っていた。しかし、これでは人事業務に必要となる幅広い情報をカバーすることはとてもできず、3種類のデータベースを使用するために多大な業務コストも生じていた。「グループ全社の一元管理も課題でした。グループ18社のうち、本社で人事情報を一括管理できているのは半数にも満たず、残りの会社はそれぞれExcelなどで管理していました。(中島氏)」。
こうした課題を解決するために、2008年10月、フジパングループは人事パッケージシステムを新規導入し、グループ一元化を図った。同時に社員研修制度も抜本的に見直し、体系的な制度を創設。思い切った改革の理由を、中島氏はこう語る。「ものづくりをする上で一番大切なことは、人づくりです。どれほど機械化が進んでも、ものをつくるのは機械ではなく人であり、人を管理するのも人です。人が能力を最大限に発揮できる環境を整えることは、企業の存続に関わる重大事項だと思います」。
あらゆる企業が厳しい生存競争にさらされる現在、社員に最大のパフォーマンスを発揮させる人事施策が重要な経営戦略となっている。人事管理の重要性が増す中で、フジパングループ様は人事情報管理システムの全社的な一元化を実現した。その背景にはどのような課題があったのか、人事部採用課課長代理の松原氏にたずねた。
「紙の社員名簿と給与システムに入っている社員情報で人事情報を管理していましたが、給与システムでは給与計算に必要な情報しか扱えないため、それ以外の情報についてはAccessで管理していました」。人事部では紙・給与システム・Accessという3種類のデータベースの運用に手を煩わされていた。「紙やAccessではデータ消失などのリスクも気になりますし、メンテナンス時の入力漏れや、給与システムからAccessへのデータ移行時のエラーなどが問題になっていました。人事管理システムを導入し、業務のミス&ロスを削減することは人事部最大の課題でした(松原氏)」。
システム部係長の山口氏も、人事システム刷新の必要性を強く感じていた一人だ。「Accessベースの人事システムで管理できていたのはグループ会社の一部だけですから、全社の統計資料を作る際には、従業員数などのデータを集めるだけで一苦労。全社的な一元管理の必要性を強く感じていました」。
プロジェクトは、NECの「人事システム企画コンサルティングサービス」でスタートした。コンサルティングを利用した狙いを、山口氏はこう語る。
「前々からパッケージ製品の有用性に注目し、自分なりに多数の製品をリサーチしてきました。その中で強く感じたのが、フジパングループに合うパッケージ製品でなければ意味がないということです。投資効果の最大化や導入後のスムーズな運用のために、システム企画段階では慎重を期しました」。
この策が功を奏し、3カ月という短期間でグループ18社の要望にきめ細かく応える人事パッケージシステムを選択できたという。
機能要件の充足度や導入実績の多さ、コスト面など総合的に判断した結果、採用されたのが「SuperStream HR+」だ。「操作が簡単な点は大きなポイントでした」と語るのは、人事部人事課の犬塚氏だ。「これなら現場の担当者も使えると思いました。必要な機能が揃っているのはもちろん、標準機能にはこれまで管理し切れていなかった項目も数多く、人事業務の可能性が広がる期待もありました。個人情報を扱うので、セキュリティ機能が充実している点もいいですね」。データの入出力機能やデータベースが公開されている点も、今後の他システムとの連携を考える上で高評価だったという。
プロジェクトのコンセプトは、「現場にとって使いやすいシステムづくり」だった。そのため、プロジェクトチームのメンバーはグループ会社からも広く集め、現場の意見の吸い上げに努めたそうだ。
「全国の現場担当者たちが一緒に汗を流してくれたことで、難局を乗り切ることもできました」と、山口氏は振り返る。「これまでグループ内の人事情報は一カ所に集中していたわけではないため、全社の人事情報を新システムにデータ移行するのは至難の業。現場担当者の協力なしではとてもやり遂げられなかったと思います」。
人事情報は給与計算にも必要であるため、新システムに人事情報を移行し終えた後、新システムと給与システムを連携。全社分の給与計算が正確に行えるかどうか、テストを実施した。「テストをする度に大量のエラーが発生するのです。何度修正をかけてもデータを整合できず、最後はエラー箇所について社員本人に直接確認して回るしか方法がありませんでした(山口氏)」。該当する社員数も莫大だったため、プロジェクトチームだけではとても確認作業をこなし切れず、それぞれの就業場所の担当者に依頼し、該当する社員一人ひとりに対して一項目ずつ確認を取ってもらったという。
「ストアーや工場など、多忙な現場業務の合間を縫っての人的作業ですし、量も多かったため、何度確認を取ってもまたエラーが発生することの連続で、本当に苦しい期間でした(山口氏)」。忍耐強く確認作業を繰り返した結果、ようやく給与計算テストが成功。「プロジェクト成功の鍵は、現場の担当者たちの底力です」と、山口氏は何度も頷く。
給与計算テストが成功するまでのプロセスをシステム部と連携しながら作業を進めていたのが、給与業務を担当する総務部総務課係長心得の土屋氏だ。「給与計算には1円の間違いがあっても許されませんから、無事にテストをクリアできた時には肩の荷が下りるような気持ちでした。NECの担当SEさんが毎回、私たちの要望を丁寧にヒアリングしては改善策を提案してくださったことが大きな支えとなってくれました」と語る。NECのきめ細かいサポートに対し、「当社独自の運用を『SuperStream HR+』で実現する方法を一緒に考えてくださった(松原氏)」「『SuperStream HR+』から抽出したデータをAccessに落として活用する方法や、従来のシステムを活かす方法など、新システムとは関係のない相談にも乗っていただいた(犬塚氏)」と、評価は上々だ。
新システムを導入して約1年、多くの成果が表れている。「会社や部署によって見ているデータが違うということがなくなり、属人性も排除でき、業務が標準化・効率化されました。さまざまな条件で社員を簡単に抽出できるため、社員研修のプランニングも効率化できました(松原氏)」「グループ内の異動や出向がしばしばありますが、その度に分厚い社員名簿をめくる必要もなくなり、社員番号を入力するだけですぐに人事情報を拾えるようになりました。工場や営業所などの各現場で入力できるようになり、人事部の業務負荷が減ったことも本当にありがたいですね(犬塚氏)」。
「社員の顔写真も確認でき、『ああ、この人ね』と分かりやすい点も現場で大好評です(土屋氏)」と、メンバーは口々に成果を語る。
これまでとは異なり、給与計算に必要となる現時点での人事情報だけではなく、研修や人事考課など、さまざまな情報の履歴を管理できるようになったことも大きなメリットだ。「社員のキャリアを管理できることは会社にとって大きな財産となるはずです。今後は、『SuperStream HR+』の豊富な標準機能をさらに使いこなし、知恵を絞ったフジパングループならではの人事管理に活かしていきたいと思います。(松原氏)」。

